カレヴァラ(Kalevala)

 えいざんこ(映山湖)の、一番フロントに近い客室の名前が、「Kalevala」。
 「何?」と、お思いになった方も、多かったはず。
 「カレヴァラ」は、フィンランドの大昔から語り継がれてきた、誇り高き叙事詩です。
 「ワイナモイネン(ヴァイナモイネン)」「イルマリネン」「レムミカイネン」という三人の英雄たちの
冒険を中心に、森と湖の国フィンランドの天地創造、神々の話、不思議な話などが織り込まれています。
 日本でいえば「古事記」や「日本書紀」のお話に似ているでしょうか。
 「カレワラ」とも訳されていたりします。
 ここでは、その中の「ワイナモイネン」の話を、大まかに、ご紹介しましょう。

 大昔、海の上には空気と風だけで太陽も星も陸も無かった頃、空気の城の乙女イルマタルは
海に降りてみたくなりました。
 水の上に降り立ち水の母となったイルマタルも、数百年が過ぎても何も生み出せない事が苦しみとなり
ウツコの神に助けを求めます。
すると、どこからともなく鳥が現れ、その卵が飛び散った時、その欠片が天と大地。太陽や月、
星になりました。
 イルマタルも、岬や浜辺を作ります。そうして最後に自分の子どものワイナモイネンを生んだのでした。
 しかし、あまりにも長い間、母のお腹の中に居過ぎたワイナモイネンは、
髪の毛が真っ白で老人のようでした。
でも体は若者のようにたくましく、歌が上手で知恵が有り魔法も使えたのです。
 
陸に上がったワイナモイネンは、何も無い大地を知恵と力でどんどん開拓していき、
カレヴァラの荒れた土地を、美しい平野へと変えていったのでした。、
 そんな噂を聞いたラプランドのヨウカハイネンは、無謀にもワイナモイネンに戦いを挑みます。
 しかし、所詮ワイナモイネンの魔法の前にはどうする事も出来ず、寸でのところで自分の妹アイノを
ワイナモイネンにやる約束をして、命拾いをします。
 話を聞いたアイノは、老人のようなワイナモイネンの花嫁になる事をひどく悲しみ、森や湖を彷徨い、
最後にたどりついた湖の中の不思議な岩の上に乗り、月の光を受けながら、
そのまま湖へ沈んでいきます。
 
イナモイネンは、アイノをあきらめきれず、湖から湖へと彼女を探しまわります。
 疲れきり、魔力も衰えたワイナモイネンは、とある湖で魚を釣り上げますが、
その魚こそはアイノの変わり果てた姿でした。
 アイノは、逃げて飛び込んだ湖からワイナモイネンに叫びます。
 「あなたが私をあきらめて他の乙女を花嫁とした時、私は元の姿に戻るでしょう!」
 悲しむワイナモイネンの前に、母イルマタルが現れ、無理にアイノを自分のものとしようとした事を戒め、
妻を探すため、来た北の国ポポヨラへ行く事をすすめます。
 途中ヨウカハイネンに狙撃されたりしながらも、ワイナモイネンはポポヨラへとたどり着き、
老婆ロウヒとその娘の美しい乙女に出会います。
 事情を聞いたロウヒは、魔法の臼をくれるなら娘をあげようと言います。
 カレヴァラへ帰れば、臼作りの名人イルマリネンがいます。
 ウヒの用意したソリで、ワイナモイネンはカレヴァラへ向かいますが「周りを見てはいけない」という
ロウヒの忠告を破り、悪魔に大怪我をさせられます。
 怪我を治しやっとカレヴァラへ戻る事が出来たワイナモイネンは、
魔法の力でイルマリネンをポポヨラへ送り、ロウヒとの約束を果たします。
 立派な舟を作り、ポポヨラへ向かおうとするワイナモイネンの胸は、希望に満ちていました。



    上文は「小学館」少年少女世界の名作文学1「ワイナモイネン物語」を
   映山湖ママが要約し、小学館から承認を得たものです。


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